8月、大阪、映画

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午後4時、カレー、アイスコーヒー。午後7時、ホットドッグ、コーヒー。午後11時、ねぎ塩豚丼。実に不健康で、なんというか、不毛な気分。新大阪、ネットカフェ泊。

 

5都市ぐらいかと思っていたのだけど改めて劇場情報を見てみたら岩手だとか熊本だとかまであって、20都市近くやるというのに、岡山には今回はワイズマンはやってこず、憤りを覚えながら朝早い高速バスに乗って大阪まで出て『クレイジーホース・パリ』を見た。感想はまた改めて書くけれど期せずして映画の日で1000円で見られたので満足しました。そしてこんなに人が入るのかと驚いた。平日の13時の回で、しかもワイズマンで、8割方は席が埋まっているという事態をどう飲み込んだらいいのか、私にはよくわからなかった。いずれにせよ、前夜3時間ほどしか寝られていなかった中で最後まで見通せたことは私にとっては大きな自信につながることだった。

 

映画館で落ち合い、まるで別の席で見た友人と中崎町のカフェに行って長い時間を掛けて会話をした。飲食店を始めるらしく、それはとてもいいことだと思うと発言した。ちゃんと実現してほしい。今年のフジロックは最後まで雨が降らなかったらしく、そんな年もあるのかと驚いた。苗場に降らなかった雨が梅田に少しの時間、さーっと降った。それに濡れた。コンビにの前の喫茶店の軒先で猫が雨宿りをしながら顔をしきりに掻いていた。軽い足取りで私たちの近くを通り過ぎていった。

 

6時ごろ別れ、勝手を知らない町の暮れていく時間は私を不安にさせた。旅行に向いていない体質なんだろうと感じた。茫漠とした心細さを感じながら十三に出て、喫茶店に入って帰りの高速バスの払い戻しの手続きをするべく電話を掛けるが何度掛けてもつながらず、これは払い戻しをさせじとしているのではないかと訝り始めたころにようやく繋がってキャンセルできた。岡山大阪間の高速バス料金は片道2600円とかで大変安い。

それからロベルト・ボニャーロの『野生の探偵たち』を読み始めた。もう絶対に面白いんだろうなと思う。タイトルや装丁だけでそう確信させるのはすごいことだ。

 

第七藝術劇場は初めて行く映画館で、同じ通りにはさまざまなお店があり、ミニスカートをはいた若い女がキャバクラの中に消えていった。たくさんの人がさまざまな欲求にしたがって歩いていた。私は6階に上がり、カサヴェテスの『オープニング・ナイト』を見た。見る前から眠かったが、見ているあいだは眠気から一番遠いところにいた。すさまじかった。新大阪まで出て、ネットカフェに来て明朝のアラームをセットしてフラットシート。メディアカフェポパイはすべての店がそうなのか知らないが、扉が透明で居心地が悪い。眠ってしまえばそんなことは関係なかった。


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