きっとここが帰る場所(パオロ・ソレンティーノ、2011年、イタリア/フランス/アイルランド)

cinema

以前ペドロ・アルモドバルの『私が、生きる肌』の感想に書いた通りの映画だった。懸念された通りというか以上にどうでもいい映画で、ショーン・ペンの演技は相変わらず好きだったし本人役のデヴィッド・バーンの前で自身の現在の状況について悲壮に叫ぶ様にはぐっと来たといってもいいけれど、ナチスの残党狩りの後味の悪さとか、それは別にいいとしても全体にどうでもよかった。予想していた通りトーキングヘッズというかデヴィッド・バーンバンドというのか、のライブシーンには、「This Must Be The Place」の演奏には動揺してかき乱されてあられもなく涙してしまったけれど、それ以上では決してなく、というかこの曲をみだりに使いすぎていていろいろと興ざめしてしまてって、もっと落ち着いてくれよ、もっと、せっかくの曲なんだからカバーバージョンとか聞かさなくていいから、とっておいてくれよ、大切なその一点に、と、思って、途中で出ようかと思ったぐらいにどうでもよかった。
今回の上映で一番よかったのは予告編で流れた『霧の中の風景』で、9月からアンゲロプロスの追悼特集が遅くも岡山に回ってくるのでそれがとても楽しみです。


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